モーターヘッドのフロントマンで、ヘヴィ・メタルのゴッドファーザーと呼ばれた故レミーことイアン・フレイザー・キルミスターの伝記映画が製作中であることが明らかになった。

　シンプルに『レミー』と題されたこの映画の監督は、2010年に発表された同名のドキュメンタリーを撮影するために3年間レミーとモーターヘッドに密着したグレッグ・オリヴァーだ。彼は、「レミーにまつわる噂は、おそらく全てが事実だろう。彼がロックンロールのクリシェありきたりの表現を活用していたからではなく、彼がそれを作り出していたからだ。朝食に赤マルボロとジャック・ダニエル、夕食にスピード覚醒剤……全て事実だ」と述べ、「だが、あの冷酷な目つきのロックンロールの外見の下には、自分が幸せだと感じる音楽の演奏を最後までやり通した勇猛な男がいた。この伝記映画は2013年から丁寧に進めていて、レミーやモーターヘッドのメンバーであるフィル・キャンベルとミッキー・ディー、そしてレミーの人生で重要な役割を果たした全ての人たちに忠実であり続けることを忘れないようにしている。彼らが誇りに思える映画になるだろう」と語っている。

　“世界で最もうるさく、汚く、自由なバンドの先導者であり魔除けだった”レミーの半生を描いた伝記映画は、今年はオンライン開催される【カンヌ国際映画祭】のマーケットでバイヤー向けにプレゼンされ、2021年前半に製作が開始される予定だ。

　キャストはまだ公表されていないが、2015年に70歳で死去したレミーは、亡くなるほんの数か月前に、伝記映画で自分を演じる俳優はロジャー・ムーアがいいと発言していた。残念ながらムーアも2017年に亡くなっている。

（おわり）