2018年2月4日 14:06　発信地：ロサンゼルス/米国
【2月4日 AFP】ハリウッド（Hollywood）の大物プロデューサーだったハーヴェイ・ワインスタイン（Harvey Weinstein）氏のセクハラ疑惑について、これまで沈黙してきた米女優ユマ・サーマン（Uma Thurman）さん（47）がついにワインスタイン氏に襲われた過去を明かし、同氏を非難した。

　ワインスタイン氏をめぐっては、これまでに数十人もの女優たちがセクシュアルハラスメント（性的嫌がらせ）やレイプなどの被害を受けたと同氏を非難しているが、サーマンさんの代表作『パルプ・フィクション（Pulp Fiction）』（1994年）や『キル・ビル（Kill Bill）』（2003年）はワインスタイン氏の映画製作会社ミラマックス（Miramax）の作品で、サーマンさんは同社と縁の深い女優とみられていた。

　だが3日の米紙ニューヨーク・タイムズ（New York Times）に掲載されたインタビューで、サーマンさんは沈黙を破り、英ロンドンと仏パリで起きたワインスタイン氏から受けたセクハラを告白した。

　最初のセクハラ事件はアカデミー脚本賞を受賞した『パルプ・フィクション』の公開後に起きた。ワインスタイン氏はロンドンの宿泊先だったサボイ・ホテル（Savoy Hotel）のスイートルームでサーマンさんを押し倒してのしかかり「局部を露出しようとし、ありとあらゆる不快な行為をした」という。

　それから間もなくパリのホテルでも、サーマンさんが撮影の打ち合わせでワインスタイン氏の部屋を訪れると、ワインスタイン氏はバスローブ姿でサーマンさんをバスルームに連れ込もうとしたという。

　サーマンさんは「自分が襲われた後に、ハーヴェイに襲われたすべての女性たちのことを思うととても悔やまれる」と語った。

　一方、ニューヨーク・タイムズはワインスタイン氏側の反応として、「ワインスタイン氏はパリでサーマンさんの意図を読み違えて英国でサーマンさんを口説いたことは認識している。彼は直ちに謝罪している」との同氏広報担当者のコメントを掲載した。

■封印された『キル・ビル』での衝突事故

　サーマンさんはクエンティン・タランティーノ（Quentin Tarantino）監督に「俺のミューズ」とたたえられてきたが、タランティーノ作品『キル・ビル』の撮影中に欠陥車の運転を強制されて衝突事故に至った事実をニューヨーク・タイムズに明かし、タランティーノ氏を批判した。

　同紙ウェブサイトに掲載された動画には、サーマンさんが猛スピードで運転する車が砂利道で道路脇の木に激突する瞬間が捉えられている。激しい衝撃を受けたサーマンさんはしばらく身じろぎもしない。サーマンさんは駆け寄った撮影スタッフに抱えられて車を降りた。

　サーマンさんは「焼けつくようなひどい痛みで『ああ、もう二度と歩けないんだ』と思った」と事故を振り返る。サーマンさんは膝を負傷し、頭部も腫れ、脳振とうをおこしており病院で手当てを受けた。首に頸椎（けいつい）カラーを装着して病院から戻ったサーマンさんは事故を起こした車を確認したいと思った。当時ひどく混乱していたという。「私を殺そうとしたとクエンティンを責め立て、彼と大げんかになった」と語った。

　当時、サーマンさんはミラマックスから同社を訴える権利を放棄するなら衝突事故の動画を見せると言われたが、サーマンさんは拒否したという。