今年は2月後半から仕事が忙しくてあまり本数は見れていませんが、
今年の上半期観た映画で自分が好きな映画について、
ちょっと書こうかなと思ったので記録しておきます。
(こういうものは思ったときに書かないとずっと書かないので)
少ないですが、今年劇場で観た映画は以下の26本
- 哀しき獣
- ヒミズ
- ハンター
- J・エドガー
- ドラゴンタトゥーの女
- メランコリア
- ヤングアダルト
- 戦火の馬
- タッカーとデール
- ヒューゴの不思議な発明
- ドライヴ
- ヘルプ
- アーティスト
- バトルシップ
- KOTOKO
- 裏切りのサーカス
- REC3/ジェネシス
- ザ・マペッツ
- ベルフラワー
- ディヴァイド
- 私が、生きる肌
- メン・イン・ブラック3
- ミッドナイト・イン・パリ
- アメイジング・スパイダーマン
- パーフェクト・センス
- アタック・ザ・ブロック
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僕の上半期ベストは『戦火の馬』なのだけど、それは後で書くとして色々考えさせられた映画は意外と『REC3/ジェネシス』だった。
この映画の出来不出来については置いておいて、「映画の幸福な続編とは何か?」なんてことを思わずにはいられなかった。
僕は基本的には映画に裏切られたい人間なので、前情報は極力入れずに映画を観ることにしている。
余談だけど、最近はしていないが、自分の一番好きな鑑賞スタイルは、都内の名画座へ何も情報を調べずに訪れて、上映中のタイトルと上映時間が書かれた看板からをタイトルが目に入らないように細めで上映時間を睨んで、席に座り、暗くなって上映されるまで、何が始めるのかわからないという状況だ。
※都内に住む人限定で申し訳ないが、渋谷のシネマヴェーラという映画館がこの方法を行うのに非常にオススメだ。何しろここで上映している映画で外れたことが一度も無い。
以上余談だったが、続編映画の場合は前作の情報があるので、なかなか裏切られる事がないのだが、
そんななか前作の『REC2』には驚かされた。
--以下RECシリーズネタバレが頻出します。
REC(1)はPOVゾンビ映画の傑作だった、詳細は省くが、ドキュメンタリー調の話と英語以外の異国の言葉は非常に相性がよくて、レポーターのおっぱい姉ちゃんがいかに全編ギャーギャー五月蝿くても全く問題にならないくらい楽しい映画だった。
ホラー映画がヒットした後に作られる続編はシチュエーションや規模を変えただけでプロットがほとんど同じケースが多く(実際にRECのハリウッドリメイク版の続編である『REC[レック:ザ・クアランティン] 2 ターミナルの惨劇』はシチュエーションを変えただけであった)、このタイプはたいてい面白くない。
果たしてREC2は続編になって何を変えたかというと、大胆にも”ジャンル”を変えたのだ!
REC1の映画としてのジャンルは 『POV+ゾンビ』であった(同ジャンルにはロメロの『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』なんかがある)。
対して、REC2は『POV+悪魔憑き』なのだ(同ジャンルには『ラスト・エクソシズム』など)。
確かに1のクライマックスはそれを匂わすような落ちではあったが、
ゾンビ映画かと思って観ていたらエクソシストの映画で、こういう続編での方向転換は非常に愉快だ。
期待していたものと全く違う展開になるというのに当時劇場では興奮して観ていた記憶がある。
そこで、REC3の話に戻るが、今度はどんな変化があるか期待に胸を躍らせて劇場に足を運んだ。
もちろん前情報なんか一切見てはならない。
結果を言うと、なんと今回もジャンルが変わっていた!
そう書くと楽しそうに思えるが、今回のジャンルは『悪魔憑き+アクション』だったのだ。
信じられないことだが、POVではなくなったのだ。アーメン。
しかも悪質なことに最初の数分はPOVなのだが、観ている観客の期待と裏腹に突如カメラが壊れ、鮮明な俯瞰カメラへ移行するのだ。
見ている観客も、まさかRECと題される映画で途中で録音が停止するとは思っておらず。
なかなか衝撃的な体験だった。
裏切られた!と怒る人間がいても気持ちがわからなくは無い。
だが不思議と僕はそこまで不快にならなかった。菩薩のような心で最後まで心の平穏を保ったまま鑑賞した。
冒険することは難しい、特にヒットシリーズの続編となるとそうだろう。僕は「そうか、そうか」と穏やかな口調で唱えていた。
ただ1点惜しむらくは、POVをやめるという演出はシリーズの最後にとっておくべきだったところかな。
既に次回作REC4が製作されているので、次回がどういうことになるのか、楽しみだ。
因みに、ホラー映画の続編でジャンルが変わるものには傑作が多い。
REC1→REC2の流れは最初観たときに真っ先に浮かんだのは当然『エクソシスト』→『エクソシスト2』だし、
REC2→REC3の変化は『死霊のはらわた2』→『死霊のはらわた3』に近いともいえる。
他にも『悪魔のいけにえ』(南部ゴシックホラー)→『悪魔のいけにえ2』(コメディ)の見事なジャンル変更は観るものの期待を壮絶に裏切りつつも、忘れることの決して出来ない傑作だ。
あ、長く書きすぎて疲れたので『戦火の馬』については後編で。