引用元:藤子F不二雄さんの毒っ気たっぷり「SF短編」で描かれたトラウマ級の強烈エピソード3選
https://futaman.futabanet.jp/articles/-/122460
■立場が変わることで価値観が逆転した世界の恐怖『ミノタウロスの皿』
最初に紹介するのは、主人公が自分の価値観との違いに混乱した姿を描いた『ミノタウロスの皿』。SNSなどでもたびたび「とんでもないトラウマ漫画」として注目され続けた作品だ。
宇宙船事故でイノックス星に漂着した主人公は、そこでミノアという美しい少女に助けられる。この星は地球の「牛」に似た「人類(ズン類)」が支配しており、地球人にそっくりなミノアたちは「牛(ウス)」と呼ばれる家畜であったのだ。
ウスたちと暮らすうちにミノアに恋心を抱く主人公だが、彼女は「百年に一頭生まれるかどうか」のすぐれた肉用種のため「ミノタウロスの皿」として祝宴で食べられることが決まっていた。
その事実を知った主人公は彼女を救おうと奔走するも、ミノア自身が「最高の名誉よ」と誇らしげで、ズン類側の有力者に訴えても話が全くかみ合わない。それどころかミノアは自分を食べる来賓たちの賛辞を聞きたいからと、首だけになっても意識が残るよう人口心肺を脳に繋ぐことを望んでいたのだ。
諦めきれずに最後まで抵抗する主人公だが、最後はその思いも届かず……。自分の常識や価値観が全く通じない恐怖が描かれた同作だが、皮肉の効いたラスト1コマも悲しい。
■DVという言葉さえなかった時代に妻がとった行動は?『コロリころげた木の根っ子』
次に紹介するのは、いびつな夫婦のあり方に恐怖を覚える物語『コロリころげた木の根っ子』。
現在のように家庭でのDVやモラハラなどといった問題が取り沙汰されていなかった1974年に発表されたこの作品。出版社の若手社員である西村は、小説家・大和の家まで原稿を取りに行くことになるが、大和という男はとんでもない暴君だった。家の外にペットのカニクイ猿を出してしまったからという理由で、客の目の前にもかかわらず妻に平手打ちをし、酒ビンが空だと言っては突き飛ばし、自分の愛人を呼び出す電話まで妻に準備をさせるほどだった。
だが、不用意に階段の上に置かれた空の酒ビンや、ガスが充満する汲み取り式トイレに置かれたタバコなど、大和の家にはところどころに怪しいものがあった。そして、小さなところに疑問を抱いた西村は、大和の妻がスクラップしていた新聞の記事を読んでギョッとすることになる……。
自分勝手な理屈で妻を「飼いならした」と豪語し、理不尽な暴力を与え続ける夫。抑圧されて目を伏せてばかりだった妻の本性が最後の2ページに集約されており、全ての理由が分かった瞬間に思わずゾッとするだろう。
■ラストのどんでん返しで人間のおろかさ描く『絶滅の島』
最後に紹介するのは、1980年にSF映画雑誌『スターログ』に掲載された『絶滅の島』。理由も分からぬまま無惨に殺され続ける恐怖を描いた短編だ。
主人公のシンイチたち27人が「秘島ツアー」に出かけている間、地球人はUFOの大軍に襲われ全滅させられてしまった。生き残った彼らは離島で自給自足の日々を送っていたが、そこにもとうとうUFOがあらわれ、人間狩りがはじまってしまうのだ。
わずかに残った仲間たちが次々と残酷に殺され、さらにその遺体を「煙でいぶしている」現場を目の当たりにするシンイチ。捕まった少女・カオリを救い出し逃げようとするが、UFOの化け物たちにみつかり絶体絶命の危機に。そこに違うUFOがあらわれ、シンイチたちを助けるのだが……。
私たち人間がおこなってきた過ちが、最後のページに記載された「宇宙怪物後 日本語訳」に集約されており、「絶滅の島」というタイトルの意味にゾッとする以上にハッとさせられる短編。なお同作は初出ではサイレント映画の手法をなぞってセリフなしの演出がとられている。『藤子・F・不二雄大全集 少年SF短編3』ではリメイク版と両方が収録されているので、見比べて読むのも面白い。
以上3作を紹介したが、毒っ気がたっぷり詰まった、時に読者にトラウマを与えるような藤子さんの「SF短編」には、まだまだ紹介しきれない魅力作がたくさんある。筆者が個人的に好きなのは残酷な高齢化社会を描いた『定年退食』と『カンビュセスの籤』であるが、どちらも登場人物の未来を自分に置き換えると足がすくんでしまう傑作だ。また「抱けえっ!」のコマが有名な、悲しさが詰まった「すこし・ふしぎ」な短編『ノスタル爺』も夏の終わりにピッタリな心震える作品。大ウサギの宇宙人が登場するセルフパロディのような短編『ヒョンヒョロ』も多くの人に是非読んで欲しいところだ。
※長文の為一部略
[content_block id=18954]
あなた早いのね
ありゃ名作だ
あの日あのとき、もしああしていたら……
誰もが思い、悔やみ、枕を抱いてもがき苦しむような
でもどうしようもない切なさを見事に描ききってる
2次創作じゃないのが本当に辛い
本家があれ書いちゃいかんと思うわ
小学生のとき読んでなんか怖かったわ。
少年誌?評判どうだったのかな
必死こいて抵抗してる主人公が異常者扱いされる世界に変わる奴とかコロナみたいで
ノスタル爺のほうじゃなく、前向きな終わり方するやつ
それにしても過去改変系のネタめちゃくちゃ考えてたんだなF先生
未来の思い出も過去改変物だし本人が変えたかったのかもね…
変えたかったというかむしろ本人は「この世は自分が創造したんじゃないかという気がする時がある」と強気の発言をしたことあるぐらいだし
沢山あるアイデアのひとつとして神の目線で別のパターンを考えてみただけでは
現在ホームレスの爺さんの話だよね。
売女にうつつを抜かす過去の自分に説教かましたのは覚えてるけどその後どうなったんだっけ
過去を変えることには失敗して現代に戻るけど、昔の自分の情熱にあてられて
今からをやり直そうと立ち直って終わり
その女と一緒になるなと言ったら、過去の自分にぶん殴られて説教されて、「あいつ燃えてたなあ」みたいなことを言って、もう一度前向きに生きようとするんじゃなかったっけ?
あの馬鹿は荒野を目指すだっけ
あれはむしろ希望が感じらんない?
・同級生の仲を引き裂くために盗聴器を仕掛けて脅迫文
・いじめっ子が改造拳銃で憂さ晴らし
・ヤクザの兄貴分にあっさりと裏切られる舎弟
・絵が壊された美術館の警備員が自殺を図ろうとする
・自殺未遂者でガチ焼身シーンを撮ろうとする映画監督
同級生の男に自分の全裸絵を見せつけたあとにテレパシーで心を読んで
「驚いた!高畑さんでも女の子の裸のことを考えるんだ!」と大声で言う魔美マジ小悪魔
まさに今の状況なんだよな
最後のコマが素晴らしいと思う
ユウカイをジッコウする!
とみたいな奴怖かったわ
ヒョンヒョロだね
大人になってから読んだからさほど怖くなかったけど
子どもだったらトラウマになるかも
おれ夕子
切ない恋物語も良いんだよなぁ
本当にお通じが良くなる
アーサー・C・クラークの「幼年期の終り」1952年米発売、1964年日本発売の中で「オーバーロード(上帝)」 (Overlord)が使われてるけど、それより前?
全然後だよ、こいつが知らないだけ
オーバーロード(上帝)はクラークの作品「幼年期の終わり」(日本語訳1964)が有名
このあたりの人はみんな読んでる
ネタバレすると更に上がある
同年代だと思う西岸良平とかも、そんな感じのSF作品多かったし、そういうのが流行ってたんだよ。
あの質であの数を描いたのがすごい
比べられるのは手塚御大ぐらい
諸星大二郎や星野之宣やあずまひでおもすごいけど、彼らは彼ら独自の世界の印象が強い
Aは日常に潜む恐怖やブラックユーモアといった感じ?
読書が趣味でいろんな本を読みまくったFと遊び好きで社交的なAがどういうところから作品のヒントを得ていたのかがよく出てるな