女優、満島ひかり（３０）が主演するＮＨＫ土曜ドラマ「トットてれび」（土曜後８・１５、全７回）で
原作者の女優、黒柳徹子（８２）役を好演している。

黒柳のエッセー「トットひとり」「トットチャンネル」が原作の笑いあり涙ありのドラマバラエティーで、
テレビ草創期から描かれる。

声のトーン、しゃべり方、早口…満島の芝居巧者ぶりが目を引き、
４月３０日放送の第１回平均視聴率は１０・１％（ビデオリサーチ調べ、関東地区）と好発進した。
が、実は役のオファーがあったとき２回断ったという。

「（黒柳の）頭の回転の早さとか育ってきた環境とかちょっとできないかなって。
再現ドラマになるのが怖かったし、彼女のパワーをそのまま出せるのかというのが怖くて…」。
だが演出家の「黒柳さんのパワーを借り、もう一度新しいテレビを」という考えに共感し、出演を決めた。

黒柳とは“サシ”で会食するなど役作りにも余念がない様子。
「黒柳さんやあの時代に生きた方は戦争を経験していらっしゃる。
あれ以上に辛いことはないから楽しく生きていこうとか、ユーモアがある感じはどうしてもマネできない」としつつ、
「黒柳さんはどんな状況でも（周りの）物事が見えている。私は集中しちゃうとほかは見えなくなるときもあるので、
“ふまじめ”にやろうって心掛けています。真面目に遊ぶっていうか…。
彼女は女優でも声優でも司会者でもなく黒柳徹子さんなので、それを忘れずにやっていきたい」と抱負を述べた。
視聴者には「素直になって生きてみようとか楽しい方がいいよねって思ってもらえたら」とアピールした。

黒柳の生き方にも刺激を受けているようで、「（黒柳は）才能試しを一生続けている感じ。
いまだに『何の才能があるかわからない』っておっしゃって、まだ見つかっていない感じがするらしくそれはいいなって」。

満島の芸能界デビューは小学生の男女７人組ダンスグループ、Ｆｏｌｄｅｒのメンバーだった。
その後、男性メンバーの卒業でＦｏｌｄｅｒ５に。
２００２年に解散後はソロとなり、映画「愛のむきだし」など数々の作品に主演した。
多才ぶりは黒柳とかぶる。

満島は「私は自分のこと女優だとは思っていないんです。ずっと楽しいことがしたいんですよね。
女優だけをやるのは…。音楽もファッションもバラエティーもお笑いも、みたいな中で仕事をしていくのが
一番楽しいと思う。総合芸術みたいなのが」とコメント。

「パフォーマンスアーティストになりたいって思います。どこにいっても面白いことが
できるような人になればいいなって。そういう意味では徹子さんは理想的」と明かした。

今後いくつの“顔”を見せてくれるのか－。
自分らしさを追求し、多面的に輝く満島の未来が俄然（がぜん）楽しみになってきた。（ＫｕｒｕＭｉｌｋ）

・ＮＨＫ土曜ドラマ「トットてれび」の試写会に出席した左から満島ひかり、黒柳徹子＝東京・渋谷区のＮＨＫ

http://www.sanspo.com/geino/news/20160503/geo16050312280015-n1.html